ちかごろQRコードの決済が世に出てきました。 そのおかげかどうか、弊社のQRコード生成ページがよく使われているようです。

qr.ag-media.jp

あと、可変印刷ともバリアブル印刷とも呼ぶのですが、1枚1枚が違うテキストやバーコードが埋め込まれたカードやシールの印刷物の問合せも増えてきています。 これってほぼデジタルだけど実体が必要、なら紙で印刷、という需要。なんだかこれまでとは主従が逆転してる感があって面白いと思います。

VOCのセミナー

最近、弊社が印刷工場内VOCをどうやって削減したか、の事例発表依頼が何度か続きました。

これは先週に福岡で開催された九州経済産業局のセミナー。 ガソリンスタンドの業界団体の方とならんで、VOC削減の事例をお話しました。

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作業環境測定について

いつもの適当な内容とちがって、ややまじめで大切なことについてのエントリーです。

オフセット印刷工場の現場では、日常的にVOC(揮発性有機化合物)が排出されています。 うちの会社で働く印刷オペレーターのみなさんはじめ、スタッフのVOCによる健康被害を未然に防ぐため、弊社では法令を遵守することはもちろんのこと、できる限り健康に影響の無いインキや溶剤などを使用するようにしています。またそのような取組みは同時に、近隣の環境や大気への影響も軽減することにもなるでしょう。

できるかぎり環境や体に負担の少ない材料を使って印刷しましょう、という趣旨も含んだグリーンプリンティング認証という環境マークを取得したのも、わりと早いほうでした。(2009年9月~)

ただし法律を守ったり、「環境に良い」ことをうたった製品を使えばスタッフの健康被害を防いだり地球環境へ配慮したことになるのでしょうか?それだけでは不十分だと私たちは考えます。 実際に会社内部だけでなく材料業者さんまで含めて「これは大丈夫だよね?」という共通認識のもとに使用していた材料が原因で、法的には問題なかったのにもかかわらず胆管がんという悲しい事故が起きたのも私たちの業界です。

業者さんだっていわば利害関係を共にしているわけで、やっぱり本当に大丈夫です!と言えるためには、彼らの意見は参考にはするけれども100%信じるのはまずいかもしれない。 となると、客観的にうちの会社を見ることのできる本当の化学物質の専門家によって工場の空気の測定をおこない、「使っている材料や工場内の空気については問題ないですよ!」とお墨付きをもらってはじめて胸を張って「健康に悪くない印刷工場です」と言えるのではないでしょうか。

ということで昨年から私たちの自主的な取組みとして、中央労働災害防止協会さんに作業環境測定を依頼、印刷現場の空気の安全性を専門家に担保してもらうことにしました。

このような取組みは印刷業界ではまだ一般的ではありません。ただ、未来に向かって印刷会社と社会との関係性をより良いものにしていくためにも、法規制の範囲外だから気にしなくてもよい、というわけにはいきません。法律を遵守することはもちろんのこと、それ以上に、「健康に悪くない」「環境負荷が少ない」ということを目にみえる形で実証していきたいと思います。

10月に実施していただいた作業環境測定の結果が出て、「この環境で毎日作業しても、健康には全然問題ないですよ」とお墨付きをいただきました。 ただ、これだって使う材料が変わったり、印刷の仕方が変わることでなにがどうなるかはわかりません。安全基準自体が変わるということもよくあることだそうですし。 ということで私たちは年1回、自主的に専門家に作業環境を測定してもらい、この取組を継続させていくつもりです。

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中災防の方々に来ていただいています。
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すべての印刷機の上にはVOCを一定以上関知するとアラームが鳴るセンサーを設置しています。

軽オフとか色数とか

聞くところによると、デジタル印刷機の進化に押されていわゆる軽オフセット印刷機の台数はどんどんと減少が続いているそうな。

そのうち、軽オフ?なにそれ見たことないけど?軽ってなに?ということになるのは間違いないと思う。

 


あと特色の印刷物も減っている。世の印刷物を眺めてみると、CMYKで表現されてるものが大半を占めています。印刷のコストや作業効率を考えると、出来るだけCMYKで表現するのが合理的なのは間違いないのだけど、デジタル印刷機のカラーがこれだけ溢れると、逆に特色の素敵さがより際立つ気がします。

質感の豊かな紙に、軽オフで2色の特色で作ったチラシがカッコよく、見とれてしまうことが最近ふえました。


これなら、デジタルでもなく活版印刷でもない、軽オフのオフセットと特色、という組み合わせ、もっと世にアピールしたいよな、と冒頭の話になるわけです。オフ、と名乗っている割にはそんなに高くつかないし。

 

またちょっと話はかわりますが、軽オフかデジタルかは別にして、色数が少なく、かつ格好の良い印刷物に出会うと嬉しくなります。抑制が良い具合に効いてる、という表現が適切なのかわかりませんが、そんな感じ。

下は長崎のデザイナーさんが江戸堀印刷所で作ってくださった、てぬぐいのフライヤー。ほんとにカッコイイ。ねずみ色の紙(ブンペル)に活版のスミ、白の特色とスミ(これはデジタル)。写真ではわかりにくいですが、同じスミでも活版とデジタルのスミの違いがはっきりとわかります。

 

 

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台風21号

9月にすごい台風に襲われました。6月の地震に次いで、今年は2度目の大きな自然災害です。 自然を舐めたらあかんで、と天に戒められてるような年です。 今回の台風も、大阪や兵庫で生まれ育った私は、台風が来る!と言っても「どうせ大したことないだろうな」とたかをくくっていたのですが、今回ばかりはまいりました。寺田寅彦先生のおっしゃることは真理だなと。すみませんでした。

幸い、会社が具体的な被害に遭ったわけではありません。けれども、会社のすぐ近くの大通り、土佐堀通りで車がミニカーのようにひっくり返っているのには驚きました。それも2台。 想像を全くしていない事象に日常風景の中で遭遇すると、しばらく現実が現実で無いような、変な感覚になります。

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韓国からの取材

先月のことですが、韓国の出版社の方々が江戸堀印刷所に取材に来られました。

大阪で活版印刷をされている桜ノ宮活版倉庫さんのご紹介で、うちのことを知ったそうです。 かつては活字文化の中心であった韓国から活版印刷が失われ、一方で最近の日本では活版印刷が若い人たちの間で再び見直されていることについての取材でした。

軽印刷がルーツかつ現業でもある当社(あさひ高速印刷)、江戸堀印刷所を始める前は、活字は取り扱ったことがありませんでした。

oka.hateblo.jp

活版印刷は一般的にはレトロだ、懐かしいねといった文脈で語られがち。ところが、日本語の文字をガリ版や写植、そして現代ではDTPで表現してきた私たちは活版印刷への知見はゼロでした。逆に私たちには活版印刷はとても格好よくってワクワクする、あたらしい印刷技法だったのです。

こんなマイナーなお話、通じるのだろうかと思いきや、なんだか良い感じで盛り上がりました。この方たち、ここ数年間の日本(と世界)のレタープレスの動きについてよくそんなにご存じで、とこちらが驚くくらい、広く深く掘り下げておられました。すごい!

当初は通訳を介しての会話なので表面的な、あっさりとした私たちの紹介で終わるかなーと思っていましたが、フタを開けたらこちらも前のめり。通訳の方がとてもお上手だったのもあって会話がはずみ、2時間ちかくの取材となりました。

取材の対象、この場合は活版を含めた印刷文化ですが、に対しての愛情や熱量が感じられる方々との会話は楽しいですね。

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「本の工房」の金さん(右端)、李さん、高さん(左の二人)と



追記) ちょっと嬉しかったこと。

江戸堀印刷所のロゴ

江戸堀印刷所|大阪

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は、印刷の「印」の文字と、英文社名Edobori Printingの頭文字をとって「E+P」と、両方の意味を掛けてるのですよ、といったらおお!なるほど!って感じてくださったところ。(もちろん韓国語の反応なのでたぶん、ですがニュアンスでそんな感じ。) この内容だけは、おなじ漢字文化圏の韓国と中華系の人にしか通じないネタなので、わかってもらえてちょっとばかり感激でしたよ。