先月のことですが、韓国の出版社の方々が江戸堀印刷所に取材に来られました。
大阪で活版印刷をされている桜ノ宮活版倉庫さんのご紹介で、うちのことを知ったそうです。 かつては活字文化の中心であった韓国から活版印刷が失われ、一方で最近の日本では活版印刷が若い人たちの間で再び見直されていることについての取材でした。
軽印刷がルーツかつ現業でもある当社(あさひ高速印刷)、江戸堀印刷所を始める前は、活字は取り扱ったことがありませんでした。
活版印刷は一般的にはレトロだ、懐かしいねといった文脈で語られがち。ところが、日本語の文字をガリ版や写植、そして現代ではDTPで表現してきた私たちは活版印刷への知見はゼロでした。逆に私たちには活版印刷はとても格好よくってワクワクする、あたらしい印刷技法だったのです。
こんなマイナーなお話、通じるのだろうかと思いきや、なんだか良い感じで盛り上がりました。この方たち、ここ数年間の日本(と世界)のレタープレスの動きについてよくそんなにご存じで、とこちらが驚くくらい、広く深く掘り下げておられました。すごい!
当初は通訳を介しての会話なので表面的な、あっさりとした私たちの紹介で終わるかなーと思っていましたが、フタを開けたらこちらも前のめり。通訳の方がとてもお上手だったのもあって会話がはずみ、2時間ちかくの取材となりました。
取材の対象、この場合は活版を含めた印刷文化ですが、に対しての愛情や熱量が感じられる方々との会話は楽しいですね。
追記)
ちょっと嬉しかったこと。
江戸堀印刷所のロゴ
は、印刷の「印」の文字と、英文社名Edobori Printingの頭文字をとって「E+P」と、両方の意味を掛けてるのですよ、といったらおお!なるほど!って感じてくださったところ。(もちろん韓国語の反応なのでたぶん、ですがニュアンスでそんな感じ。) この内容だけは、おなじ漢字文化圏の韓国と中華系の人にしか通じないネタなので、わかってもらえてちょっとばかり感激でしたよ。