日めくりカレンダー

子供の頃、宅配をしてくれる酒屋さんや米屋さんという業種がまだ近所に存在していました。年末になると得意先へ日めくりカレンダーを配っていたのでしょう、いろんな家に日めくりカレンダーが掛かっていた記憶があります。
いまでも昭和から存在するような街の居酒屋や料理屋さんで見かけると、「あ、日めくりがあるわ」と気になってしまいます。
多くが酒造メーカーの名前が入ったものが多いような気が。カモツルとか。

子供の頃は何枚もちぎっていったら祖母に注意されたり。(子供ってミシン目をちぎったり、ボタンを押したり、プチプチを潰したりするあの感じって好きですよね)
けれどもあの日々をあらたに更新する感じはいまだに新鮮です。いまだ大人になってないだけかも。


いちどあれを作ってみたいと長年思っていて、昨年思い切って知り合いのカレンダー屋さんに作ってもらいました。当社グループの制作会社であるアサックの名前で。

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名入れもそれっぽい感じで


この、年末にさしかかるとちぎった紙の残りがささくれだって決してキレイではないところがまた歳末感があって趣があります。

これが好評で、と言いたいところでしたが、「は?こんなダサいカレンダーわざわざ作って社長は何を考えてるんや?」という反応もありました。あれ?みんな日めくり好きじゃないの?とめげたりしたし、配りきれずやや余ったりも。悲しい。

けれども。
小洒落たカレンダーは数あれど。
日めくりは日本のカレンダーの王様だと思いませんか?私は勝手にそう思っています。
なので今年も注文しましたよ。アサックで。

また来年ご紹介できればと思います。

56年目スタート

10月から当社の新しい期がスタートしました。
法人としては56年目、創業からは70年目の年になります。

私は49歳で小学生の頃の社屋を覚えている程度、私より古いスタッフも沢山いますがさすがに創業の頃を知っている人はもう誰もいません。
創業当初は「タイプ印刷、謄写印刷」という看板を掲げていたのですが、タイプ、謄写版(ガリ版)のどちらも、今は機械さえ社屋には残っていません。

創業当初のものが無い、というのは寂しい思いもありますが、印刷を取り巻く環境が変化をつづけていて、それに対応し続けた結果です。それよりも今起こっている技術革新や市場のニーズの変化に対応していかねばという責任感の方が前に立ちます。


大阪市西区という都心で、社屋の中でデザインから製本加工まで全ての工程が一貫して生産できることが当社の特徴、おそらく30年以上前から変わることのない当社のスタンスです。
つい十数年前までは、本社の3階で面付け、フイルム出力、刷版という製版の工程が1つのフロアすべてを占めていました。
そしてこの十数年のあいだに、少しずつ工程がアナログからデジタルに置き換わりながら、9月の半ばにこの3階のフロアがPOD(プリントオンデマンド)のデジタル印刷械が6台、PP表面加工の機械が2台の完全デジタル印刷専用工場になりました。
これには感慨深いものがあります、とうとうPODでワンフロアを占拠するまでになったかと。

そうやって作っているもの自体は20年前と比べても変わらないのですが、作り方が変わることで、作りあがった完成品の品質、スピードは当時とは隔世の感があります。


カラー4台、モノクロ2台の最新デジタル印刷機が並びます。

とか言いながらも、このフロアの隅っこには100%アナログの、特色をつくるための自動調色機(指定された色を、インキを混ぜ合わせてつくる機械)があります。これでアナログの軽オフセットがまたよく活躍しているのも面白く、嬉しかったりします。

続きです。デザインのひきだし

前回の続き。

デザインのひきだし、普段から近所の本屋さんに定期購読しているものが届きました。
表紙のキテレツな格好良さに驚かされます。なんと贅沢な。これが2千円だなんてありえない。


なんでも10種の箔押しに10種の色バリエーション、計100種類の表紙があるそうです。

印刷技術の素敵な組み合わせで、本屋さんに並ぶ表紙が色とりどりっていう全く新しいカタチで見せられてなんともたまりません。
紙と印刷で、しかし本業の印刷屋が思いもよらない方法で、本を手にした人に感激とビックリをあたえくれます。
気持ち的にはひれ伏したいくらい。そして印刷ってすごく面白いわと希望を持って足下を見直す、となります。

軽オフと特色

発売日より少し早いタイミングで「デザインの引き出し」が届きました。格好良い。すごい表紙。

 

今回も江戸堀印刷所を取材いただきました。

嬉しいのが、軽オフとシルバーマスターを取り上げてもらえたこと。

 

江戸堀印刷所には活版印刷機がどーんと鎮座してるからか、なにかと活版専門のスタジオのような捉えられ方をされることがままあります。ただそれだけだと少し寂しく感じていて、私たちはオフセット印刷やデジタル印刷、そして製本加工もうちは活版印刷と同じ熱量で愛していて、その側面ももっと見てもらえたらな、と話していたタイミングでした。

 

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江戸堀印刷所の特色・軽オフ見本を綴じ込みに使っていただきました。

 

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きみは小関智弘さんを知っているか

小学生の息子が「ショクアン」ってなにか知ってる?といきなり聞いてきた。「職業安定所、ハローワークのこと?」

 

なにやら国語の勉強をしていて、小5のテキストの文章問題にその言葉が出てきたようだ。

どんな文章やねん?ちょっと読ませてよ、とテキストの当該ページを開いて、文章題を読み始める。

 

「17年前に職安の紹介でいまの職安に入ったとき、古くから働いている機械工がわたしに『この工場は、仕事の段取りにいくら時間をかけても、文句をいわれないからいいよ』と教えてくれた。そのひとことは魅力だった。

 

あ、これ小関さんかも?と読み進める。推測はただしく、「町工場巡礼の旅」という本からの引用だった。小関智弘さん。旋盤工かつ作家というすごいお方。

ことばを読んだ瞬間にわかる、手を動かす職人とものづくりへの畏敬、誇りに満ちあふれた文章を書かれる作家さんです。

文章はこう続く。

 

作る手順を考えたり、道具を工夫したりすることを、段取りという。昔から”段取り八分”段取り八分といわれるように、仕事がうまく運ぶかどうかは、段取りが決め手になる。それを大胆にまかせてくれる職場は、ふところが深い。

 旋盤はないけれども、印刷機、加工機がたくさんある工場を運営している身として背筋が伸びる。はたして、うちの工場はここで言われるふところの深さはあるのだろうか?

そういう職場でありたいとおもわせてくれる背筋の伸びる文章です。

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久しぶりに小関さんの文章と出会わせてくれたのが、この小学生の国語テキストって面白い。息子には感謝。

夏の豆板醤

なんだか夏の気温が毎年少しずつ暑くなってるような気がします。温暖化なのでしょうか。

ただでさえ暑苦しい顔をしていると言われがちなので、暑いあついとはなるべく言わずに、暑さを乗り切るコトを考えるようにしてます。

 

今年の個人的な暑さ対策は麻婆豆腐の自作。これまでは丸美屋や永谷園にお世話になっていましたが、最近は自分で作った方がおいしいと気づき、アホのひとつ覚えで週に1〜2回は作ってます。

 

下の写真は台湾のスーパーで買った豆板醤。夏でも食欲を駆動させてくれるこの調味料、ほんまに偉大やなと感じる今日この頃です。

 

 

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G20

日本中のお巡りさんが大阪に集結しています。

当社のあたりでは、千葉、埼玉、福島からのお巡りさんをよく見かけます。ご苦労さまです。

 

こんなに大規模に規制が入るとは正直思っていませんでした。明日から車は事実上使えなくなり開店休業状態だと思います。