純喫茶について

コーヒーと煙草の両方が好きな私にとって、喫茶店は大切な場所です。コーヒーと煙草、そして落ち着いた雰囲気の喫茶店というロケーションで気の合う友人やスタッフと話をすることで、普段思いつかないような気の利いたアイデアを思いつくことも多々。

個人的には純喫茶と呼ばれる、昭和テイストの喫茶店を愛しています。平成生まれのカフェも嫌いではないですが、やっぱりかつての高度成長時代の香りを残す渋い喫茶店の方が落ち着きます。

最近、こういった純喫茶が絶滅の危機に瀕しているように思います。動物だったら絶滅危惧種ということで誰かが保護してくれるのですが、いまのところ純喫茶保護運動はなさそう。生態系の多様性を確保しよう、と叫ぶのと同様に、日本の街にも多様性が必要だと思いませんか?

おそらく「チェーン店軍団」と私が勝手に呼んでいる店舗、例えばスペシャリティの方だとスターバックスタリーズ、廉価版だとドトールだとかの攻勢にやられまくっている、という図式がまずありそう。例えると、まるで在来種の動植物が外来種にやられまくっているような感じでしょうか。

それ以外にも、世の中が変わった、という要因もあるそうです。かつては近所の企業から会議や来客でコーヒーの注文があったのが、経費削減やコーヒーサーバーを中に置く会社が増えたことで、電話オーダーのお客さんの層が減った、と近所の喫茶店のマスターが嘆いていました。いわば純喫茶を取り巻く状況は天敵だらけと言ってもよく、かなり厳しそう。

私も20代のころ、スターバックスが日本にやってきたときには興奮してラテばかり飲みに行っていました。今では珍しくないですが、あの頃は店舗の外でベンチに座って飲むというスタイルがわりと新しくて、おお日本にもこういうスタイルが定着するといいな、と思っていました。

しかし。あまりに増えすぎでは?と最近は食傷気味です。
近所の「なにわ筋」という大通りはまだそう浸食されていませんが、四つ橋筋、御堂筋という大阪の中心的オフィス街はチェーン店コーヒー屋さんだらけです。

これでいいのか日本のオフィス街!素敵な街づくりは素敵な喫茶店づくりから!

言いたいことはまだあるので、次回へつづきます。