走ると村上春樹を思い出す

[雑記]

大阪城リレーマラソンというイベントに出て、ちょろっと走った話を前回しました。
本当にちょろっと、という僅かな距離なのにいろいろと考えてしまいます。

走ることについて考え込むのはこの人のせい、というか、おかげというべきか。

村上春樹

村上春樹のことについて書くと、個人的体験も含めいろいろと書きたくなって長くなるのですが、それはよしとして、まぁ凄いお人だなぁと常々思っていたら先日さらにぶったまげたことをされました。

ご存じない方もいるかもしれないので超乱暴にまとめると、

村上春樹ノーベル文学賞をとるかも、と近年毎年言われている。すでに国際的な文学賞をいろいろと受賞している。

○この2月にエルサレム賞というイスラエル文学賞村上春樹が受賞

イスラエルという国はパレスチナに戦争しかけたりしているので、そんな賞は辞退してしまえ!とパレスチナを支持する人たちから圧力がかかる。

○世間は「彼は授賞式に出席するのだろうか?それとも反イスラエルの立場に立って賞を辞退するのか?」と注目

○彼は堂々と授賞式に出席、イスラエル首相も参列しているその場で、反戦の意を込めた感動的な名スピーチを一発かます。

という非常に荒っぽいまとめですが、そういう偉大なことをなしとげられたのです。
ウェブ上にはそのときのスピーチの翻訳が沢山溢れていますので、お暇な方はぜひ。

【日本語全訳】村上春樹「エルサレム賞」受賞スピーチ


小説家というと、ことばの力で自らの主張をおこなうというイメージがなんとなくあるのですが、彼はそれだけではなく勇気ある行動で自らの意志を世に伝えた、というところがたまらなくしびれます。偉大な人。感動しました。



なぜ走ったら彼を思い出すか、というとそれはこの本↓のせい。
この本を読んで自分を彼と比べると、経営者の端くれと世界的な小説家としての立場の違いはあっても、その内面の葛藤やら悩みやらは共感できる部分は多くあり、しかしながらその悩みや自らの心と戦う姿勢は私とは雲泥の差、あまりに力強く、またそれを淡々と語っていらっしゃる。見習うべきところは多いです。

走ることについて語るときに僕の語ること
村上 春樹
文藝春秋
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