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先日、東京の神保町を訪れました。
神田、神保町は以前から本のまちということで興味があったのですが、訪れたのは初めて。
まるで学生の頃に東京を訪れたような、最近では味わえなかった興奮を覚えました。
本屋さんだけでも興奮しがちなのに、街全体が本屋さんだらけなんて!



この日、お目当ての本は、吉原秀樹著「『バカな』と『なるほど』」、です。

この本、ビジネス書ながら大ベストセラーの楠木建氏「ストーリーとしての競争戦略」



の中で紹介されおり、是非読んでみたかったのですが絶版で入手不可能だったのです。

この作品が、三省堂からエスプレッソ・ブック・マシーンで復刻される、というのでワクワクしながら三省堂を訪れました。

エスプレッソ・ブック・マシーンというのは、店頭に印刷機と製本機が合体した機械が置いてあり、端末から書籍名を選ぶとその場で印刷・製本・仕上げまでを行うという、印刷屋と製本屋が合体したような機械です。印刷に関わる人間には興味がないわけがありません。

ましてや、当社は7年前から"ココログ出版"という「ブログを1冊の本にできますよ」というサービスを(株)ニフティさんと共同で運営しているので、この「1冊から買える!」ということについてはより敏感に反応してしまうのです。どんなんだろう?と。


これがそのエスプレッソ・ブック・マシーンです。写真ではよく見えませんが、印刷部分はゼロックスのモノクロプリンターそのものが使われております。その後ろにインクジェットプリンター製本機がついている感じ。なので表紙はカラー、本文はモノクロ、となるわけです。

三省堂本店の中でこのマシン、やや遠慮がちな場所に、本棚とはちょっと離れたところに鎮座していました。
ヒトにたとえたら、「本屋さんに養子に入ったはいいがまだ他人行儀な扱われ方をされて、だけどこの先馴染めるのかなぁという不安を抱えながら」という感じでしょうか。


で、肝心のお目当て本を買いました。


実はすごく残念。
絶版本が、電子書籍ではなくカタチのある本として蘇る、ということ自体は素晴らしいのですが。
装幀が、いや製本がダメ過ぎ。帯は帯ではなく「帯風な表紙」となってしまって、さらには背の部分がずれている。
まるで一昔前の東南アジアの本のような。
本文もデジタルスキャンしたものをコピーしたから仕方ないよねー、とばかりの読みにくい文字。
これが1500円。安いといえば安いけど・・・

この残念な気持ちは、自分が印刷業に従事しているから故の感情なのかな?と考えてみたのですが、違いました。
本屋さんが、このちょいイマイチな本を作って売る、ということが残念なのだというのが私の結論です。
この本を、例えば街にあるコピーショップで買い求めるならそう違和感はありません。もしくは図書館にて有料で絶版本を買い求める、でもいいかと。

しかし、神田の三省堂でこのカタチは悲しすぎる。
あ、悲しかったのはカタチだけです。内容は非常に面白い本でした。


私のエスプレッソ・ブック・マシーンへの関心は一気に萎えてしまいました。惜しいなぁ。

帰りも神保町の街をうろうろ。ええなぁこの街。

エスプレッソ・ブック・マシーンさん、わざわざイタリアからこられたそうですが、神保町の街はまだお似合いではありません、というのが私の感想。