きみは小関智弘さんを知っているか

小学生の息子が「ショクアン」ってなにか知ってる?といきなり聞いてきた。「職業安定所、ハローワークのこと?」

 

なにやら国語の勉強をしていて、小5のテキストの文章問題にその言葉が出てきたようだ。

どんな文章やねん?ちょっと読ませてよ、とテキストの当該ページを開いて、文章題を読み始める。

 

「17年前に職安の紹介でいまの職安に入ったとき、古くから働いている機械工がわたしに『この工場は、仕事の段取りにいくら時間をかけても、文句をいわれないからいいよ』と教えてくれた。そのひとことは魅力だった。

 

あ、これ小関さんかも?と読み進める。推測はただしく、「町工場巡礼の旅」という本からの引用だった。小関智弘さん。旋盤工かつ作家というすごいお方。

ことばを読んだ瞬間にわかる、手を動かす職人とものづくりへの畏敬、誇りに満ちあふれた文章を書かれる作家さんです。

文章はこう続く。

 

作る手順を考えたり、道具を工夫したりすることを、段取りという。昔から”段取り八分”段取り八分といわれるように、仕事がうまく運ぶかどうかは、段取りが決め手になる。それを大胆にまかせてくれる職場は、ふところが深い。

 旋盤はないけれども、印刷機、加工機がたくさんある工場を運営している身として背筋が伸びる。はたして、うちの工場はここで言われるふところの深さはあるのだろうか?

そういう職場でありたいとおもわせてくれる背筋の伸びる文章です。

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久しぶりに小関さんの文章と出会わせてくれたのが、この小学生の国語テキストって面白い。息子には感謝。