退色の実験・インキ&トナー編

退色の実験、インキ&トナーについての結論です。

  • オフセット印刷用のインキは耐候性が弱い。赤はほぼ完全に消える。
  • デジタル印刷のトナーはオフセットインキに比べると色あせは少ない。
  • リコーのトナー(C7210用)よりゼロックス製イリデッセの方が強い。

これもいずれ写真をアップします。取り急ぎ。

退色の実験・紙編

先日書いた、1年弱にわたる退色の試験でわかったこと。
紙編です。

  • ユポ(合成紙)はけっこう強い。
  • ライメックス(ストーンペーパー)は弱い。
    • 乾いたお煎餅みたいにパリパリになって、ボロボロと崩れていきます。屋外の使用は厳しい。
  • 片面PP(ポリプロピレンのフィルム貼り)
    • 最初はまぁまぁ強度があるかとおもったのですが、フィルムと紙の間に雨水が入り込み、見るも無惨に。屋外利用で神メディアに片面PP貼りはしてはいけません。
    • PPフィルムを貼るならユポ一択。ユポとPPの組み合わせはおすすめ。
  • パウチ(両面をPETフィルムで挟む)
    • 無双。最強です。

現在写真を整理中。またあらためてこのページにアップします。

夏の掃除

6月だというのに連日すごい暑さです。
東電管内は電力逼迫がえらいことになっているようで。熱中症予防のためにはエアコンも必須だろうし、あたりまえに電気を使えるありがたさを痛感します。何もないことを祈るばかり。

当社は5月から6月にかけて、エアコンのフィルタ掃除はもちろんのこと、あらゆる空調関係の清掃をして、すこしでも無駄な電力を使わないようにしています。
掃除してみたらわかるのですが、印刷現場は紙粉(しふん)という紙を加工するときに発生する、見えるか見えないかぐらいの細かい粉がいっぱいです。
それに加えて、職場環境としても空気清浄機・エアコン・加湿器の掃除はきっちりやって、キレイな空気で働こう、というのはここ数年徹底していることでもあります。

加湿空気清浄機のフィルタ清掃風景

世の中の多くの機械についている「フィルタ」って定期的な清掃を推奨しておきながら、取り外しが面倒だったりします。普段あまり目にしないところは放置しがちですが、それに負けてはいけない、と頑張ってくれている製造現場には感謝しかありません。

あれから1年

印刷したものが太陽光にさらされたり、雨にあたったりすると色があせることを退色、褪色といいます。どっちの漢字も「たいしょく」と読んで、意味は同じだそうです。

昨年の夏に、社屋に貼りだしていたものがえらく色あせているのを見て、印刷を生業にしていながら、どれくらい退色について知っているのだろう?と疑問に思い、実験をしました。

oka.hateblo.jp


あれから約1年が経ちました。写真がこちら。

2022年6月16日撮影

同じデータで違うインキ、トナー、違う紙、違う表面加工などを施してみた実験です。
写真でははっきりわからないのが申し訳ないのですが、わりと差の出る結果になりました。

後日、こちらで報告します。

両面機とのお別れ

先週の土曜のことです。
「軽オフセットの両面機」というA3の紙面に、表裏の両面を同時に印刷するタイプの印刷機を搬出しました。

軽オフと呼ばれる印刷機で、数十年にもわたって「軽印刷業界」というモノクロ印刷、文字主体の印刷物を得意にする業界を支えていたようなタイプの機械です。
当社も数年前までは2台を動かしていたのですが、それが1台になり、その最後の一台もこのたび中古機械業者さんに引き取られていった、ということです。

かつてはモノクロ小ロット、多ページの本作りは軽オフが主役でした。
約20年ほど前に、それを少し控えめに補完するように導入したのがゼロックスのデジタル印刷機です。
当時はオフセットの品質にはかなわないので、やはり主役は軽オフ。

それがだんだんとデジタル印刷機の性能が向上し、とうとうほぼすべてのモノクロ印刷をデジタルで行うようになって今回の判断となりました。

かつてお世話になって、今でも愛着のあるアナログな機械に別れを告げるのは悲しいですね。

10年前の写真です。当時は2台が元気に動いていました。


軽オフ最後の砦、片面機はまだ残っていて、特色の印刷に活躍してくれています。

調色機のメンテナンス

特色という、標準色にない、カスタムで指定された色のインキをつくる際、調色という作業を行います。
以前は職人さんが経験をいかしインキ調合を計算して練り合わせていたのですが、現在は品質のばらつきをなくすためコンピューター調色機を使うようになりました。

これは10年前の写真。

毎日まいにち9色の基本色を混ぜ合わせてさまざまな特色をつくっている調色機。すこしずつこぼれたインキが固まってを繰り返し、とうとう大規模な修理をすることに。

メーカーさんが修理に来てくれました

インキ缶からインキを抽出するユニット、もはや色鮮やかなオブジェのようです。

クリアバック製本(5)番外編

前回の続き。

クリアバック製本ということで、「背表紙のない、広く開くPUR製本」でどんな本が作れるかのテストをしてきました。

その中で、トライしてみたはいいけれども、何に使うねん?という実験で終わっているモノのご紹介。

1.木の表紙、紙の本文

以前にも紹介しましたが、これも実験の途上でできあがってきた変わり種。「木に印刷」さえ出来てしまえば実用化できそうです。ただ「誰が使うねん?問題」は解決されていません。アホみたいですね。

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4mm厚のベニヤ板をホームセンターで買ってきて表紙に

2.ダンボールの表紙、紙の本文

普通にダンボールを表紙にしただけです。

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ダンボールの表紙

これ、やってみて分かったのですが、ダンボールって断裁すると端がへしゃげるというか、断裁機の圧に負けて端が潰れてしまうので、キレイな本にしようと思うと断裁は無理で、電動のノコギリ的なのでカットしないとダメ。

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写真では今ひとつわかりませんが、断裁した直後はダンボールの断面がへしゃげてしまいました
こんなこと、普通に考えりゃ分かるのですが、普段はダンボールを本にすることなんかありませんので作ってから気づくという愚かさ。勉強になりました。

3.皮革と紙の混在本

皮の端切れがあったので、紙と一緒に製本してみました。これは表紙付きなので、単なるPUR製本です。
強度は抜群で、大の男の力でも壊せません。
これも「誰が使うねん?」的サンプルとなってしまいましたが。

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左が紙の束、右の茶色いのが皮の端切れ4枚
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左が紙、右が皮革
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左右共に皮革です


という感じで、いろいろとボツになることを含めて楽しみながらやっています。
ほかにも巨大本をつくったり極厚本にトライしたり。
こうやって色々と挑戦しているうちに、分かっているつもりだった製本技術で新たな知見を得ることができたり、想定しないお客様が感心を持って下さったり、と嬉しい反応も。

これからも、こんな感じで一見くだらないようなアイデアでも、やってしまえ!とトライした結果をご報告できればと思います。