秋のなにわ筋

弊社の近所にある大通り、なにわ筋はこの季節になるとイチョウの葉で黄色く色づきます。


リコーの全天球カメラTHETA(シータ)で撮影してみました。
画像はグリグリと動かすことができます。


なにわ筋の歩道橋の上からです。(自分で手を挙げて撮影しているので、私の頭頂部も写ってしまいます。プチ円形脱毛ちゃうかと焦りました。)

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そしてその歩道橋を渡ったら、江戸堀印刷所。
活版印刷機プラテンの真上から撮影しました。いつもこんなに散らかっているわけではありませんが、だからといっていつもピカピカという訳でもありません。(機械はキレイです)




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こんな面白いカメラが数万円で買えるなんてRICOHさん素晴らしすぎですわ。

何の役に立つの?と聞かれたらそれはそれで困るのですが、使い方は人それぞれ。

そこがまたええところやと思います。THETA大好き。

RICOH デジタルカメラ RICOH THETA S 360°全天球カメラ 910720

RICOH デジタルカメラ RICOH THETA S 360°全天球カメラ 910720

環境について

印刷業界では9月が「印刷の月」ということになっておりまして、毎年9月中旬になると東京で印刷産業に貢献のあった方々に対しての表彰を行うなどの式典が行われます。

それと同時に、環境に優しい印刷工場を表彰する「印刷産業環境優良工場」の表彰もおこなわれます。

弊社は今年の「印刷の月・環境優良工場表彰」にて、「日本印刷産業連合会 会長賞」を受賞することができました。

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以前から弊社は「グリーンプリンティング工場認定」を取得するなど、環境負荷の少ない工場を目指してきました。

弊社の立地する大阪市西区江戸堀では最近、新しい集合住宅が増えて若い住人や子供を目にすることも多く、また洒落たお店が新しくできたりと素敵な形で地域が発展しています。そのような中で、いわゆるベタな「印刷工場」がどれだけ地域と共生することが許されるのか、が試されているような気がしているからです。 古くから地域にいらっしゃる方からの見方と、新しく移り住んできた方々の目線。仕事をしている人からの目線と小さな子供をもつ親の目線。少しずつ違っていて当然だと思います。

また地域との共生を目指す、ということは現場で働くスタッフにとっても良い環境でなければならないのは自明の理で、さらにまわり回ってお客様や仕入れ先様、関連する方々みなさんにとって、環境負荷の少ない会社であることが大切なのだと考えています。 当然もろもろのコストアップになることも多いのですが、会社が継続して存続していくことを目指すのであれば当然必要な費用だとも。

余談かもしれませんが、昭和の時代に育った自分は、小学生のころ電車の駅では大人がプラットフォームでプカプカとたばこを吸っては、線路に吸い殻を投げ捨てるのを見てきました。当時はそれは全然悪いことではありませんでした。たしか、昔は飛行機内でも喫煙できたはず。今では信じられません。

それが今では分煙、禁煙が当たり前。世間の常識がどんどんとシフト、変化してくるのを見てきました。

絶対的な善し悪しの話ではなく、社会が許容できる線引きが変わっていく、ということが当たり前と捉えなければならない、というたとえ話です。(この「ちゃんとしないとダメ!」という風潮にはちょっとうーんと思うところもあるのですが、それは置いておいて。)

企業も同じでしょう。

企業も社会との共生が求められている以上、「前はこんなことせんでよかったのに」「昔はそんなこと言われなかったのに・・」という愚痴をこぼすわけにはいきません。積極的に社会的な要求や許容する範囲の変化に敏感になって、対応していくことが必要だと思います。

今回の受賞、こんな環境対策をやったから賞がいただけた、というよその会社が見たら驚いてくれるような特筆すべきネタは全然ありません。けれども逆に小さなことをコツコツ積み上げているのが評価されたようで嬉しい限りです。 これに満足することなく、この都会の工場でDTP、製版、オフセット印刷、製本加工と一貫したものづくりをできていることに感謝しながら、私たち一同、よりよい工場とは何かを自問していきたいと思います。

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また、弊社はこの10月から53期目を迎えることができました。創業者が大阪は阿倍野で印刷会社を創業してから数えると67年になります。有り難いことです。社員一同、気を引き締めて今後もお客様にご愛顧いただける会社を目指して参ります。

パノラマ画像の製本

とても間が空いてしまいましたが、すこし書いてみようと思います。

わりとつまらないことかも、ですが個人的には嬉しかったことの備忘。



iphone6を使っているのですが、カメラにパノラマ写真を撮る機能があります。
この機能、面白いとは思うのですがいかんせん、あの小さな画面で見てもイマイチよくみえない。

かといって、プリントアウトしようとおもっても縦横比があそこまで横に長いと、A4で出力しても画面ははっきりしません。

で、この画像をご覧ください。
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今年の夏に印刷機材の展示会でドイツに出張した際、町の市場に訪れたらあまりに野菜の彩りがキレイで撮ったパノラマ写真。
(大きな画像へのリンク)


で、この手のパノラマ写真をあつめて、無理矢理にA3サイズの横長の製本をしてみました。

A3の無線綴じ。横の長さは420mmの倍、840mm。0.84mです、でかい。でかいにもかかわらず、わりと写真もキレイ。さすがアップルiphone!

横型の製本、A4サイズ297mmの横型、開いたサイズが594mmまでの無線綴じだったらわりと普通に実績があったりするのですが、A3サイズとなるとほとんど経験ありませんでした。

今回、このiphoneのパノラマ写真をネタにA3横型の無線綴じ、にトライしてみましたが、予想外に素敵に仕上がりました。

ディスプレイの中でしか見られなかったパノラマ写真が、リアルの世界に飛び出してきたわけで。

妙にうれしくてワクワクします。製本の愉悦。

「ぐらんたす」さんが・・

弊社は大阪市西区の江戸堀、というところにあるのですが、ほんの数分歩くと京町堀というところに出ます。

これまた弊社の近くの土佐堀と江戸堀、京町堀あわせて三堀(さんぼり)と呼んで飲み歩くイベントもあったりして、このあたりはさいきん(ここ10年くらい?)すごい勢いで小洒落たお店がどんどんオープンして、町がどんどん洗練されていくのを見るのは嬉しくないわけはない。

けれども時に悲しいこともあります。

コーヒーがおいしい純喫茶部門私的ランキングで永らく圧倒的に1位だった近所の喫茶店が、お店を閉められた。

京町堀にある「ぐらんたす」というお店。このひらがなで「ぐらんたす」という名前も昭和なええ感じで、さらにマスターが温和な笑顔で「おいしいコーヒー入ったけど飲んでみる?」とすすめられていただくコーヒーの美味いこと!
マスターはよく、おいしいコーヒーは上質な玉露と同じで冷めてから飲んでもおいしいんだよ、としきりにおっしゃっておられました。



ちょっとしばらくご無沙汰していたら、お店を閉められたようで。
入居しておられたビルの建て替えによるものだそうです。


こんな悲しいことってないよ・・・

町の素敵度って、新しいものやお店と古くからあるイイお店が渾然一体となって賑やかな感じを醸し出すことが大事だと思うのですが、やっぱりそれは簡単に口にするほど易しいことではないんだと思った次第。

反社セミナー

先日、所属する業界団体である大阪府グラフィックサービス協同組合のセミナー、題して
暴力団から仕事を受けない!」
を受講してきました。


大阪府警のこの道20年のベテラン警部さんに講師をお願いし、指定暴力団をはじめとする反社会的勢力の現状と、反社会的勢力に協力するような商取引は違法、ということをとてもわかりやすくご説明いただきました。

もちろん、当社を含めて多くの印刷会社は反社会的勢力とのお取引はありませんし、またそういった印刷物を依頼されてもお断りすることになっています。
ただ、「暴力団関係とは知らずに受注して、原稿を見てからわかった」や、「きちんとお金も払ってくれて正規な手続きで受注したら、通常のお客様と同様に扱っていいのか?」などの場合にどう対応するのか、などの微妙なケースについては大変勉強になりました。(このどちらのケースも、一度受注していても、途中でお断りしてください、ということでした。)

90分のセミナーがあっという間に終わりました。最初はある程度の義務感も手伝って受講された方がほとんどだと思うのですが、多くの参加者が口を揃えて、「来て良かった!」というセミナーでした。

次の日、営業部のみんなを集めて、セミナーで学んだことを共有。
再確認の意味で営業メンバーに、反社との接触はあったことがあるかどうかを聞いてみたところ、かつても今も全くないことが確認でき、少しほっとしました・・



コンプライアンスとひとことで言っても、その中身は広くて深いなと思います。
また「正しいこと」の定義も世の中の変化に伴っていきます。正しさ理解のアップデートも大事。実に勉強になったセミナーでした。


お土産にいただいたステッカー、早速入り口に貼りました

自由研究ツアー

もう8月も終わり。
夏といえば、ここ最近の軽い憂鬱が子供の自由研究。

自分が小学生だったときは、かくも自由研究が親の負担を強いるものとは知りませんでした。
読書感想文と自由研究は夏休みの宿題で親が頭を悩ませる2大ストレスだと思います。

しかし親としては、あまりに子供を手伝うあまり、ほとんど親が自由研究を作成するのもいかがなものかと思いますよね。
なので、まずできることとしては、子供に興味をもってもらえのそうなイベントに足を運ぶことくらい。

そのひとつ。先週に行ってきましたMini Maker Faire Ogaki。岐阜の大垣です。
"Mini Maker Faire Ogaki"。

数年前から工学系の人だけでなく、デザインやアートな人たちも大いに巻き込んで盛り上がっているものづくりのムーブメント「Maker」のイベントです。

勝手な事前予想としては話題になっている3Dプリンターが中心なのかなと思っていたのですが、予想は嬉しく裏切られました。

ありとあらゆる「ものづくり」、コンピューター、電気回路から木工まで、手を使って自分たちの作りたい、表現したいという思いたっぷりの方々がズラーッと、おそらく100を超えるブースが。ワークショップあり、プレゼンテーションあり、巨大戦車からプラネタリウムまで、ありとあらゆる「個人で作ったモノ」が展示されていました。


「はんだごてプリンセスあいんちゃん」のお姉さんにはんだづけを習う子供たち。

見た目は奇天烈やなぁと思いましたが、少しお話しすると子供への工作教育の研究をされている一環だそう。こりゃすごい、立派

LEDに抵抗をはんだづけして、人形ができあがりました。

他にも刺激的な展示が山盛りで、わざわざ2時間かけて大垣まで行った甲斐がありました。





帰りには一度行きたかった、養老天命反転地へ。

screenshot

ここも超おすすめ。夏休みだというのにガラガラ。荒川修作という方のすごさを十二分に感じてきました。
この養老天命反転地、森田真生さんという数学者の存在を知ってから、この方がよく荒川氏の話をされるので俄然興味がわいていたのです。

ただの公園だと思っていたらえらい目に遭いました。親も子供も大喜びでこの凄い空間を満喫しました。

新しい製本方法

PUR製本ができるようになりました。

弊社の手がける製本には大きくわけて二つの種類があります。
まず一つ目が中綴じ。これは二つ折りを重ねた紙を、ホチキスでとめたようなものです。
小冊子や、ページ数の少ない(大体4ページから24ページくらい)ものに使われる製本方式です。

もうひとつがくるみ綴じ製本。
いわゆる書籍、本といえばこの綴じ方がポピュラーです。
表紙を本文にぐるっと巻いて(くるんで)いるのでくるみ綴じ。

書籍の製本には古くから糸を使われていました。
けれどもこの製本方法では糸を使わず糊を使うので無線綴じ(線=糸が無い)とも呼びます。

EVAホットメルトという糊を使って製本される従来の無線綴じも、本の形に仕上げるには、コスト、強度、見栄えも十分に優れた製本方式だったのですが、本を開いたときに、しっかりとノドの部分(本の奥の部分)まで開きにくい、という難点がありました。
通常の本にするには何の問題もないのですが、例えば
・見開きの絵本
・見開きの写真集
・ノートなど、広く開いた方が使いやすいもの

などで、ページ数が多くなると一度開いても本が勝手に綴じようとする力が働きます。

今回導入された新しい製本方式、「PUR製本」はこの難点がかなり解消されています。

EVAホットメルトという糊ではなく、PUR(ポリウレタン系)ホットメルトを使うことでより開くことのできる本をつくることができます。

製本という伝統的な世界で、新しい本の作り方が開発されるというのはあまり無いことです。

このPUR製本も、見た目は従来の無線綴じと何ら変わりはありません。
けれども、「本がよりしっかり開く」という最も本質的なところに改良を施すことができるというのは素晴らしいことだと思います。
難点は、糊の性質上、数百冊以下の小ロットでは利用できないことと、EVAホットメルトにくらべて納期をいただかないといけないこと。
これについては弊社内での改善を重ねていくべき課題としています。

今後はこのPUR製本を上手に利用し、皆さんに「十分に丈夫で、かつ使いやすい本、冊子」をご提供していきたいと思います。