QRコード

先日、弊社のウェブサイトでQRコードを自由に作成できるサービスをリニューアルしました。

http://qr.ag-media.jp/
「QRコード自動生成サービス QR Code Builder」

以前から複数のQRコードを作ったらいくらぐらい費用がかかりますか?というような問い合わせが多かったので、作ってしまった次第です。
1つのデータから1つのQRコードをつくれるサイトはあるようなのですが、このサービスの良い所は一気に複数のコードを生成できるところです。

当社としては、QRコードを生成するだけでお金をもらうのは居心地の悪いところもあります。私たちの本業はあくまで一枚一枚違うデータを正確かつ迅速に印刷することが本業だと考えているので、もしお役に立てるのであればどうぞ・・・とひっそりと公開しています。今のところ無料です。今後も有償にする予定はありません。(サーバに負荷がかかったら何らかの制限は加えるかもしれません。)

ただ、例えばひとつの名刺サイズぐらいのカードに、1万種類の名前、メールアドレス、ID番号などなど・・と印刷する必要がありましたら、そこは弊社の本業領域です。
これは従来同じデザインや文字を大量に印刷する一般の印刷と区別する意味で、「バリアブル印刷」「可変印刷」と呼ばれています。年賀状の宛名印字を想像してもらえるとわかりやすいかもしれません。
従来は請求書を短時間の間に大量に印刷する、などの帳票類で使われていた技術なのですが、最近はトレーディングカードやキャンペーン配布用のカード、シリアル番号を入れなければいけない印刷物などにも応用されているようです。



ちょっと話は飛びますが、このQRコード、もともとデンソーのグループ会社、デンソーウェーブが開発した技術なのですが、仕様をオープン化して特許の権利行使をしなかったのでここまで世界中に普及したのだそうです。
これはデンソーウェーブさんのサイトにある開発物語です。素敵なお話。

道のり|QRコードドットコム
http://www.qrcode.com/history/

LEDのUV乾燥装置

昨年、大阪府中小企業中央会より「大阪府ものづくり補助金」の募集がありました。
設備導入や施策に対していくらかの補助をいただけるというものです。
以前より当社にある印刷機を改造できればなぁと思っていたので、渡りに船とばかりに補助金の申請書を頑張って書いてみました。
そして・・運が良かったとしか思えないのですが、昨年の秋にこの申請を採択していただくことができました。

テーマは「LEDを利用して、既存の印刷機をUV印刷機に改造する」というものです。

そしてつい先日のこと。さまざまな検証やテストを経て、LEDのUV照射装置を既設の菊4(A3サイズより少し大きなサイズ)のカラー印刷機に取り付けることができました。

これによって、今までは木材パルプを原料にした紙への印刷しかできなかった印刷機が、石油を原料にしたような紙やフィルム、たとえばユポという紙にも印刷ができるようになります。
また普通の紙に対しても、これまでは自然乾燥でインキを乾かしていたのを強制的にUV=紫外線を利用してインキを乾燥させるわけで、乾燥不良のようなトラブルは激減、短納期化にも対応できるようになるなど、様々なメリットがあります。



下の方で青く光っているのがLEDが発する紫外線です。これでインキが乾燥するという仕組み。




LEDを使ったUV印刷というのは5〜6年前から実用化されつつあります。
それまではメタルハライドランプというランプでUVインキを乾燥させることが通常でしたが、LEDでもインキを乾燥できるようになりました。LEDにすることで消費電力はかなり少なくなり、乾燥装置の寿命も数万時間交換不要、ということで環境にも優しい印刷方法です。乾燥方法の分野ではかなりのイノベーションだと言えると思います。

通常であれば新たにこのLED乾燥装置のついた印刷機を購入、ということになるのですが、印刷機というのは悲しいくらいに高額で(サイズによりますが平気で億の単位になったりもします。)おいそれと新しい機械を導入というわけにもいきません。
そこで考えたのが、すでに使用している(かつ、あんまり稼働していない)印刷機に、無理やり乾燥装置をくっつけて同じようにUV印刷機として使えないだろうか?というものです。

まだテスト段階ではありますが、乾燥に関しては全く問題なく上々の出だしです。

「あんまり使っていない印刷機に別の装置を取り付けて、最新の印刷機と同じように使えないだろうか?」というまことに貧乏人な発想なのですが、これがうまくいけば世の中で眠っている古い、けれども本当はまだまだ使える印刷機が、安価な最新印刷機として復活できるわけで、とっても素敵な事例になるのではないかと、今からワクワクしているところです。

ココログ出版

2003年に株式会社ニフティさんと共にスタートした、ブログ出版サービス「ココログ出版」がこの3月、すべてのバックオーダーの印刷・出荷が完了、当社でのサービスがすべて終了しました。
ココログ出版のサービス自体は昨年の秋にサービスを終了していたのですが、そのときに沢山のオーダーをいただき出荷がようやく完了する、というのが実のところです。終了のアナウンス後だけで1千件を優に超えるご注文をいただきました。




思い返せば日本でブログがこれから普及するかなーという黎明期に、ニフティさんがリリースしたブログサービス「ココログ」を私が知り、「これを一冊の本として書籍化することができれば面白いのにな」と思いついたのがキッカケでした。




それまでも当社では自費出版として個人の方々から原稿をお預かりして編集、印刷製本する、ということは普通にビジネスとしてやっていました。ただ、オフセット印刷は少なくとも数百部は印刷する必要があり、個人が負担する金額としては高額になります。そこをなんとかして自費出版のハードルを下げられないかなと考えていたところでした。

オンデマンド印刷という'90年台の終わりぐらいから普及しだした電子写真方式の印刷機と、そして従来から小ロットの対応に強みを持っていた当社の製本ラインを使えば、1冊からでも本にできるんじゃないかな、と考えていたところに、ココログが私の前に現れたのです。


といってもどうやってニフティさんと連絡をとって提案したらいいのか皆目見当がつきません。
そこで、マーケティングを専門にしている友人に相談したところ、驚くような答えが。


ニフティの大代表に電話したらいいんじゃないですか?」


目からウロコが落ちたことを今でも覚えています。
まぁそりゃそうだけど、いきなり大代表ですか・・・?

けれども、本当に提案するのであれば、一番手っ取り早いのは電話することかも、と無理やり自分を納得させます。
内心、大代表に電話なんかで本当にコトが進むのだろうかと思いながらダメ元で連絡をすると、数珠つなぎのように適切な部署の方をご紹介していただき、サービス検討が始まりました。



一介の大阪の中小企業な印刷屋から電話があって、忙しいのに耳を傾けていただいたニフティココログ関連の方々には今でも頭の下がる思いです。当時はブログっていう言葉さえまだ一般的ではなかった時代で、またニフティさんがココログというブランドを立ち上げつつある真っ最中のときでした。ふつう、「忙しいからまた今度ね〜」となってもおかしくないと思います。

また友人が「電話したらいいじゃないの?」と言ったのも、「これはサービスとして楽しさと新しさを併せ持ったサービスである」と本当に私が自信を持てるのであればニフティさんも無下には扱わないよ、という意味だったのでしょう。しかし当時は「果たしてニフティさんやそのユーザーの方々に理解してもらえるだろうか?」とやたらにハラハラしながら事を進めていったことも思い出されます。


ブログが一般的になって10年ぐらいでしょうか。日本人が世間に向けてものを書いて情報を発信するということが、ここまで日常のことになるとは思いもしませんでした。また「書いたら紙で、本の形で残したい」と思う人も老若にかかわらず沢山いらっしゃるということもわかりました。

なんて素敵なことか!と思います。

ブログのままでサーバーに置いておいてもコンテンツの閲覧は可能です。
そこをあえて本にするということからもわかるようにオーダーをされる方々一人ひとり、それぞれの思い入れが本づくりにはあります。私たちもそのドラマの一端をお手伝いできたことを幸せに思います。
ココログだけでなく、ココログ出版も可愛がっていただいたユーザーの方々。ありがとうございました。


またブログというデジタルなプラットフォームをしっかりと運営されながら、真逆のアナログ媒体を扱う私たちも同時に大切にしてくださったニフティさん。
素敵なパートナーと嬉しいビジネスをすることができた、とても楽しい10年間でした。
おかげで、私たち自身も「本」であることの大切さや意味のようなものを理解できたと思います。
本当にありがとうございました。

にっしーに掲載されました

しばらく更新を怠っておりました。私自身の傾向として、夏から年末にかけてブログを書くのをサボってしまう傾向にあるようです。今年はもう少し頑張ります。



さて。
大阪市西区の広報誌「にっしー」に江戸堀印刷所を掲載していただきました。
とても好意的に取材していただいて、なんと表紙を飾っていただいたという・・・恥ずかしいやら嬉しいやら。何はともあれ本当に有難いことです。


道を歩いていると、うちの写真が掲示板に貼られていて一瞬たじろぎました。


この「にっしー」、一般的な行政が発行している広報誌とは一線を画す素晴らしい取材と編集っぷりで、読んでいて実に面白い。西区民企業である私達も知らなかった、また知ったことで誇りに思えるような西区を教えてもらえる広報誌。
今号の特集は「ものづくり王国・西区」ということで西区の鉄工、木工、工具、建築などなど、とても素敵な感じで紹介されています。



世の中を支えてきた並み居る力強いものづくり企業のなかに私達の江戸堀印刷所も紹介されていて、なんだか席汚し感もあるのですが。


また、素晴らしくプロフェッショナルな撮影技術にも驚き。当社比というか実物比というか、180%くらいカッコよく写していただいてます。
この表紙写真がどれだけ実物に比べて素晴らしいかということを確かめる意味でも、いちど江戸堀印刷所の前にお越しいただく価値ありです。



印刷屋が「紙っていいな」と言ってもそれがどないやねん、という感じですが、やっぱり紙の広報誌に掲載されると嬉しいものです。よりいっそう地域に可愛がってもらえる印刷所にしていきたいなと思った次第でした。

50年

当社の決算は9月です。
ちょうど一ヶ月前、無事49期の決算を迎えることが出来ました。
そして新しい期、50期が始まって1ヶ月が経ちます。


50期。

今までコツコツ、1年区切りを続けて50回目。


これまで会社が続いたこと、続けさせていただいたことを心から
有難いと思うとともに、これからのことを思うと身が引き締まります。

夏の節電

ご多分にもれず、大阪は今年も暑かった。8月も終わり少しホッとした気持ちです。


昨年秋に弊社は、H-UV印刷機という、UV乾燥装置を利用して刷った瞬間に印刷物が乾燥しているというタイプの印刷機を導入しました。ただでさえ、大型の印刷機を1台増設しているのに加えて、この乾燥装置が結構な電気を消費するので、今年はかなり節電するのが厳しいな−と思っていました。そこへきて今年の全国的な猛暑。


昨年はピークデマンドという、1日の電気使用量のピーク消費量を285KWに設定、これをなんとか超えないようにしましょう、ということで節電に取り組んで、見事に達成しました。ちなみに一昨年は300KW、3年前は330KW。


震災のあった2年前から節電に取り組み、

2010年:337KW
    ↓
2011年:300KW
    ↓
2012年:285KW

と順調に節電に取り組んだ効果を発揮してきました。ただ、さすがに今年は285KWは難しいかと思ったので2011年並みの300KWを目標値に。新たに設備を導入しているから、今年は無理かもなぁと思いつつ。



2年前に作った電力消費のグラフが登場、夏に入った頃に本社内全てのフロアに貼りだしてもらいました。



こうやってスタッフが毎日昨日のピーク消費を書いて消費電力を見えるようにしてくれて、そして節電に意識を高めてくれたたお陰で、この夏もなんとか目標値以内には収まりそうです。見える化すごい。
(ただ電気代自体が値上げになっているので、電気代支出ははえらいことになっているのが悲しいところ。)

高知、ペーパーメッセージ

先日、高知市の印刷会社へ見学に行きました。

その会社さん-本山印刷さん-は、本業の印刷もしっかりと営みながら、素敵な紙製品のお店、"PAPER MESSAGE"を展開されているということで、友人の友人つながりでご紹介いただいた次第。紙の雑貨販売がメインのように見えながら、個人やデザイナーさんからの印刷オーダーもしっかりと受けられているそうです。

一番驚いたのは自社のデザインから製造まで手がけたオリジナルの可愛らしい製品が沢山あったこと。言うは易しで、いくら印刷を本業であっても、これだけの数の製品を企画-デザイン-製造はなかなか出来ないことだと思うのですが、こちらはそういうハードルを持ち前の情熱でひょいと超えたところにいらっしゃる感じがします。

紙製品への愛情がたくさん感じられるお店。

高知市内に2店舗、さらには吉祥寺にもお店をお持ちだそうです。
印刷ができるということがこういう展開にも繋げられるのだというのは新鮮な驚きです。
印刷会社って、よそから見たらどこも同じように見えるのかもしれませんが、業界内にいると各社それぞれ千差万別だなと感じます・・とは言っても、その差は世の中にとってはミクロなものにしか過ぎないというのも事実。
こちらのような、ひと目で違いがわかるような社会とのつながりかた、商売のあり方もあるのだなと感心。まだまだうちもできる事が沢山あるはず。とても勉強になりました。