先週入ったコンビニで、この文章が目に入りビックリしました。
「スタッフのマスク着用はご容認、ご理解願います」
一瞬なんのことかわからなかったのですが、
あ!そういえばコロナウイルスの流行初期は、お店の店員さんがマスク着用していたら、失礼だ!とお客がキレて問題になった、的な報道があったなと思い出しました。この張り紙は、その手のブチクレーマーへの対策のものだったのだなあと。
いまはお店が、店員さんではなくお客さんにマスクしてくださいね、が常識。もし店員さんに対して「お客さんに失礼だからマスク着用は禁止です!」、なんて店はいまや日本に存在しないでしょう。店員さんの感染防止にちゃんと配慮しないお店なら、誰もそこでは働かないだろうし、お客さんも来ないでしょう。わずか100日あまりで、店頭でのモラルがコロナ以前と以後ではまったく逆転したということ。
この張り紙と、この短い間の世間の常識の変わりように、内心かなり驚きました。あの時店頭で、店員さんに怒ってたおっさんたちは今何を思っているのでしょうか?
ニューノーマルだのアフターコロナだの、予想好きの人たちは、これからはこうだ!と声高に言いますが、それすらも怪しいかも、と思う自分もいます。
今、感染者が徐々に増えつつある状況ですが、政府は旅行行っても良いよ!というキャンペーンを始めようとしてます。おいおい、って思いますが、経済活動優先、というのも観光や旅行にまつわる窮状を耳にすると理解できないこともない。
その政策がいいとか悪いとかを評するつもりは全くありません。ただ、これからもいろいろと今までの常識を強く支えていた地盤みたいなものは、このように微妙に、時間の経過と状況によって少しずつ揺れ動いていくのかもしれません。
あの時店員さんに「マスクして接客してるとはけしからん!」と怒ってたおっさんは、今はきっと「マスクしてないとは何事だ!」と言ってる内容を変えて、誰かに怒っているのかも。
ちょうど2020年の真ん中。本来であれば日本中が五輪でワーワー騒いでいたはず。
数ヶ月単位で変わっていくであろう常識と、それでも変わらない、簡単に変えてはいけないものを見分けながら生活を、仕事をしなければいけないな、と思わせてくれる張り紙でした。