レジ袋の有料化

7月からレジ袋の有料化が始まっています。
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これに伴ってスーパーやコンビニでの買い物が少し不便になりましたが、これまでは何も意識することなく無料のサービスを享受してたんだな、ということも思い出させてくれました。
海辺を歩くと漂着物のなかでもレジ袋が一番目につきます。この新しいルールは海洋プラスチックゴミの削減には少なからず良い影響もあるだろうと思います。いち市民としては賛成せざるを得ない政策。

と思っていたら、こりゃ困るわという事態に遭遇しました。

紀伊國屋書店でのこと。
Amazonでの書籍購入に慣れてしまった今、リアル本屋さんでの本選びは逆に心ときめく買い物体験です。
本を選んでレジに行くと、

「プラスチックの袋は2円、紙袋は10円です。」ですって。

ええ?紙袋もこの法律のカバー範囲なの?プラスチックゴミと関係ないやんか!と動揺しつつ、この日はあのクラフトの定番紙袋を10円で購入しました。
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けれどもよく考えてみたら、これまでは安いプラスチック袋をほとんどのお客さんに無料で提供して、その中でもたくさんの本を買った人にはプラスチックよりはコストの高い紙袋を同じく無料で提供していたわけです。
これが法律でプラスチック袋を有料化したら、じゃあ紙袋はこれまでと同じ無料で、というわけにはいきませんよね。それだとみんなプラ袋が有料だから無料の紙袋ください!となってしまいます。
いわば、この法律で紙袋もとばっちりを受けて有償化せざるを得ない、という選択なのでしょう。無理もないか。
という意味ではこれまで無料だったプラスチック袋にも感謝しかありません。



けれども、ブックカバーは無料で巻いてくれました。そうか、同じ紙を使っていても紙袋は有料、ブックカバーはサービスとして無料、ということね。このことで、本屋さんでの買い物は、本以外にもカバーだとか、紙袋だとか、その本屋さん独自のデザインや紙の風合いを含めたものも一緒に楽しませてくれていたんだなと気づきます。


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同じ紙を使っていてもブックカバーは無料。
容れ物はプラも紙も有料になります、けれども包むものはまだ無料でいいよ、ということですね。

本に限らず、ものを購入するときに「包む」ということをしてくれたら少しほっとしたり、きちんとしている感を享受しているのだなと。これが八百屋さんで白菜を新聞紙で包んでくれるだけでも、ああスーパーと違って八百屋さんでの買い物だなと。
これも紙の持つ魅力のひとつ。
包装紙、とはいいますが包装プラスチックっていうのはあまり耳にしません。人にものを贈るときは紙の箱、紙のラッピング。

これまで安価で大量に消費できたプラスチック袋が有料化された影響で、これから紙のポジションもかなり変わるかもしれない、と思わせてくれた出来事でした。