新しい無線とじ製本、クリアバック製本について

無線とじ製本で、新しい製本方法を開発しました。
PUR(ポリウレタン系の糊)を使った、丈夫で使いやすい無線とじ製本です。
なにか呼び名をつけないと、ということで「クリアバック製本」と名付けました。商標登録出願中です。

本の背、いわゆる背表紙の部分に紙が巻かれてなく、糊だけで本の形状を保持している形になっています。
背(バック)の部分が透明になっているのでクリアバック。

ああでもない、こうでもないと社内で工夫を重ね、ようやく世の中にご紹介できる段階まで来ました。
この製本の何が良いのか。

とにかく本を開けたときに、ストレスなくよく開きます。
普通の本って、あまりにギュッと押さえつけると割れてしまったり、逆にグッと押さえないとすぐに勝手に閉じてしまったり。

一方で、手帳の製本って書籍に比べてストレス無く開きます。これは糸かがり製本だから。
どうしてもふつうの無線とじ製本は、糸かがり製本に比べてどうしても開きが悪いのです。開きでは勝てません。じゃあ世の中すべて糸かがり製本で!っていうのも難しい。製造コストが高いのです。
ここが解決できたのがこの製本。
クリアバック製本だと背に紙を使っていないので、開きを邪魔する要素がなく、糸かがりにも負けない開きが実現できています。

強度は?という心配もいりません。PUR糊が高い強度をもっています。
強いのに柔らかい、という素晴らしい糊なので、ほかにも多くのメリットを実現できそう。

これがクリアバック製本、はじめてのデビュー、「みんなのミシマガジン」byミシマ社さん。
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ミシマ社さん、弊社は企業サポーターとしてけっこう長いお付き合いをさせていただいています。
こういう新しい実験を一緒に楽しんでやらせていただけるのは本当にありがたい。

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透明な糊の向こうにタイトル
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普通に開いただけでこれだけ水平に。


このクリアバック製本、ほかにもいろいろな展開ができそうでワクワクしていることろです。
またバリエーションができたらご紹介していきます。