本木祭

久しぶりの投稿、もう9月です。9月は私たちの業界団体である日本印刷産業連合会が定めた「印刷の月」で、全国各地で印刷関連の催しがあります。そもそもなぜ9月が「印刷の月」か。 江戸末期に幕府の通詞(オランダ語の通訳)をしていた本木昌造氏が明治初期…

退色の実験・インキ&トナー編

退色の実験、インキ&トナーについての結論です。 オフセット印刷用のインキは耐候性が弱い。赤はほぼ完全に消える。 デジタル印刷のトナーはオフセットインキに比べると色あせは少ない。 リコーのトナー(C7210用)よりゼロックス製イリデッセの方が強い。 …

退色の実験・紙編

先日書いた、1年弱にわたる退色の試験でわかったこと。 紙編です。 ユポ(合成紙)はけっこう強い。 ライメックス(ストーンペーパー)は弱い。 乾いたお煎餅みたいにパリパリになって、ボロボロと崩れていきます。屋外の使用は厳しい。 片面PP(ポリプロピ…

夏の掃除

6月だというのに連日すごい暑さです。 東電管内は電力逼迫がえらいことになっているようで。熱中症予防のためにはエアコンも必須だろうし、あたりまえに電気を使えるありがたさを痛感します。何もないことを祈るばかり。当社は5月から6月にかけて、エアコン…

あれから1年

印刷したものが太陽光にさらされたり、雨にあたったりすると色があせることを退色、褪色といいます。どっちの漢字も「たいしょく」と読んで、意味は同じだそうです。昨年の夏に、社屋に貼りだしていたものがえらく色あせているのを見て、印刷を生業にしてい…

両面機とのお別れ

先週の土曜のことです。 「軽オフセットの両面機」というA3の紙面に、表裏の両面を同時に印刷するタイプの印刷機を搬出しました。軽オフと呼ばれる印刷機で、数十年にもわたって「軽印刷業界」というモノクロ印刷、文字主体の印刷物を得意にする業界を支えて…

調色機のメンテナンス

特色という、標準色にない、カスタムで指定された色のインキをつくる際、調色という作業を行います。 以前は職人さんが経験をいかしインキ調合を計算して練り合わせていたのですが、現在は品質のばらつきをなくすためコンピューター調色機を使うようになりま…

クリアバック製本(5)番外編

前回の続き。クリアバック製本ということで、「背表紙のない、広く開くPUR製本」でどんな本が作れるかのテストをしてきました。その中で、トライしてみたはいいけれども、何に使うねん?という実験で終わっているモノのご紹介。 1.木の表紙、紙の本文 以前…

クリアバック製本(4)開きの良い手帳

前回の続き。強度と開きを持ち合わせているクリアバック製本、 手帳のサンプルを作ってみました。 手帳を開いた時の感触って本を開いた時とは違う、というのは日頃は意識せずとも、なんとなくわかりますか? もしお手元に手帳と本があれば試してみてください…

クリアバック製本(3)厚紙だけで構成された本

昨年末に書いたエントリーのつづき。oka.hateblo.jp oka.hateblo.jp クリアバック製本と銘打って、いろいろとサンプルを作っています。 新しくつくりました。「厚紙だけで構成された本」です。 一般的な無線とじは、0.1mm弱の厚さの紙(本文)を束ね、それよ…

「サッカー店長の戦術入門」

いったい何が書いてあるのか?…サッカー門外漢の私には最後までよくわかなかったです。にもかかわらず、夢中になって読んでしまいました。読後感も満足。 なんなんでしょうね。熱量かな?それとも語り口?内容? プレーが専門ではない、戦術の専門家が語って…

まん延防止解除

一昨日、まん延防止が解除になりました。 これで第六波が収束した、ということではまったくなさそうですが。 NHKより 【大阪府】新型コロナウイルス感染者数・死者数の推移・累計グラフ:最新ニュース-NHK 今回は山の登りが急で、下り坂はゆるやかに、という…

2022年1回目

気づいたら1月が終わっていました。 もう2月ですが、今年もよろしくお願い申し上げます。それにしても。世間はオミクロン株の話題一色。その感染のスピードには驚かされます。 まるで年が新しくなるのを待ってタイマーをセットしていたかのように、感染が爆…

2021年年末

年の瀬、お陰様で無事に年を越せそうです。今年もいろいろありました。感染症に振り回されることが2年も続くなんてまったく想像していませんでした。 自らの無力さを反省すると同時に、周囲に勇気づけられることも。特に社内スタッフの皆が、仕事が暇になっ…

クリアバック製本(2)ノート

前回ご紹介したクリアバック製本でノートを作ってみました。表紙と本文の罫線は特色の蛍光グリーンとゴールド。 とってもよく開きます。 表紙は0.5ミリのしっかりとした厚さ。背がないので、厚い紙でもしっかりと開きます。本文ののどの部分に彩色した絵柄が…

新しい無線とじ製本、クリアバック製本について

無線とじ製本で、新しい製本方法を開発しました。 PUR(ポリウレタン系の糊)を使った、丈夫で使いやすい無線とじ製本です。 なにか呼び名をつけないと、ということで「クリアバック製本」と名付けました。商標登録出願中です。本の背、いわゆる背表紙の部分…

DXとか

最近自分で口にしていながらモヤモヤする単語の筆頭がDXです。 経済産業省のペーパーを読んでみたり、本や新聞でケースをなぞってみても、うんうんなるほどとは思うものの、これ、えらいコト言ってない?そんなに簡単にコトが運ぶのですか?という疑念は残り…

カスハラとおじさん

ホームページをみたよ、と電話を介して見積もり依頼や問い合わせをいただきます。 web上の情報だけで弊社を信用していただいてるわけで、ありがたい話です。昭和の時代なら担当の顔も見たことのない会社から印刷物を買うなんて考えられなかったはず。 ただ、…

調達難とかいろいろ

この一ヶ月ほど、印刷材料の調達価格が値上げ、という話が連日耳に入ります。 コロナによる需要減が主な理由なのでしょうが、PS版、インキと連日材料価格の値上げ通達。値上げがだめ!なんて言うつもりは毛頭なく、こういった値上げを自分の糧にできるくらい…

コロナ備忘

ワクチン接種、予約しようとアクセスしても一瞬で予約が埋まってしまう、という状況が続いていていました。 社内でも住む市区町村によって全然予約のしやすさが違ったり。 それがここへきて、会社も接種を推奨しつついろいろと手を尽くして、社員の皆さんも…

退色についてしつこく実験してみる

oka.hateblo.jp 前に退色について書きました。 マゼンタと黄色は色褪せする、ってみんな知ってることだと思うのですが、じゃあどうやったら色あせ、退色しないの?もしくは退色をすこしでも遅らせられるの?というノウハウはネットを探してもあんまりなかっ…

雨のお盆休み

昨年のお盆休みはステイホーム。 五輪は2021年に延期して、いま頑張ったら来年はコロナから自由になれる、みたいに感じていました。 それから1年経った今、結局は五輪は開催したけれども外出してはいけない、という二度目のお盆休みになりました。 コロナが…

SDGsセミナー

今週の水曜日、大阪府印刷工業組合主催で大川印刷、大川社長の講演会がありました。 大川印刷さんは横浜の印刷会社で、印刷業界内にとどまらない、日本の中小企業の中でもトップレベルでSDGsに取り組んでおられる会社として有名です。大川印刷さんがどれくら…

小口への装飾

本のなかみ、本文とか本身と呼ばれるのですが、これらはすべてのページが違うわけなので、うまくレイアウトを工夫できたら見せ方がいろいろと面白いことができるのでは、と思っていました。 例えばすべてのページに、少しずつ違う絵を配置することでパラパラ…

退色見本

当社工場前、迷惑なことにタバコのポイ捨てが絶えません。 ということでポイ捨てしないでください、と張り紙をしているのですが、これが見事な退色の見本となっていました。 黄色や赤色は太陽に当たると色褪せる、というのが退色です。これで3年もの。 左が…

「正しい」調達と市場について

「中国共産党政府がウイグル人に人権弾圧をしている」を理由に、欧州アパレル企業のH&Mが新疆綿の使用に懸念を表明しました。 中国国内ではH&Mや、同様に新疆綿の不使用を表明したナイキへの反発から両ブランドへの不買運動が起こり、この両ブランドが巨大市…

梅田

緊急や警告をあらわす赤という色。 いまは緊急事態なんですよ、ということを表現するために赤い色をビルの上にともす。それがまだ目あたらしく、また短期に一気にハンマーを叩く意味で使われるのであれば有効だと思います。 けれども・・・ 今はなんだか「ま…

製本の実験。木の板の表紙

印刷物を本の形にするにはいろいろな方法があります。 主にホチキスを使った中とじ、書籍でよく使われている無線とじ、ハードカバーとも呼ばれる上製本、あたりが一般的でしょうか。で前から思っていたのですが、ハードカバーっていうぐらいだから、本当に表…

コロナ2年目

今日、3月が終わり、明日から新しく年度を迎えるわけですが、大阪のコロナ感染者が599人と全国で一番になってしまいました。 近所の靱公園では、暖かい日差しの下で、学生さんやママたちがお花見をしています。これだけ見ると平和なのですが。 靱公園。…

コピーと本、梱包と表紙

3月。大阪は緊急事態宣言が解除されました。とはいえ、大阪市は飲食店営業は9時までで完全に元に戻るにはまだ遠い感じがします。大阪市を少し外れた江坂(吹田市)なんかの飲み屋さんは盛況だそうで、もう自粛にも疲れたわ、という雰囲気もちらほら感じま…